こんな私でも家購入は失敗しそうになった
独身の女が一戸建てを買うという話に興味を持つ人が多いのか、ここ最近いつもよりアクセスが多かった。
別にいいじゃんね。独身の女が一戸建て買ったってさ。
世の中の定型にハマって生きなくてもいいのだ。ヽ(^o^)/
結婚して新築の建売を30年ローンとか組んで買ってる夫婦も、私からすれば定型にハマってるなと思う。私がもし男で結婚したら絶対に選ばない道だ。
私は20代前半の時にロバート・キヨサキ『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んでおいて良かったと思ってる。ロバート・キヨサキは自分の住む家を買うなと言ってるから、私はそれに反することをしたわけだけど、別に投資で大金が欲しいわけでは無いし、つましい生活だけどラットレースから抜けることは出来たから満足してる。
でもあの時、私があの家を買っていたら、今も働かざるを得なかったと思う。
私の欲しいエリアで売り物件がなかなか出ないし、出たと思ってもすでに買い手がついてることばかりだった。
ようやく私の希望価格の2600万円よりも高いけれど3100万円で希望のエリアに物件が出たので、内見をしてみたら…。
工務店の売り主さんが直にリフォームをしている真っ最中だった。
玄関には新しい門が付けられ、(必要性は感じられない)
玄関から中に入ってまず目についたのは、イメージ的に場末のスナックを思わせるような大きくて仰々しい玄関の天井の照明。美川憲一が歌い出しそう。
似たようなイメージの写真を探したけど、あんな照明に似たのないわ。
玄関から階段を見ると、階段の壁の所に花の形の照明が…。
イメージ
玄関の照明との不協和音が凄すぎる!
どこかから不要になったのを付けてるんじゃないかと疑いたくなるくらい、2つの照明とも昭和ぽかった。
他にもガラス戸を開けると縁側があるんだけど、その上に収納場所をこしらえてた…。
いや、すげー圧迫感あるんだけど…。
それにそんなに私は物を持ってないし…要らない…。
2階に上がると天井裏でオジサン達がせっせと収納場所をこしらえてる…。
湿気を飛ばすための換気扇らしきものも設置してる…。
そんなに私は物を持ってないし…要らな…。
2階の和室もオジサンのセンス全開のリフォーム計画を聞かされた。
この部屋の「木の枠の部分をこれから黒く塗る」と…。
「それはやめておいたほうがいいですよ」と私は言った。
だって私が買うかもしれないし、その私がやめたほうがいいって言ってるんだから止めてくれますよね?ね?ね?
それにダサい花柄のすりガラスの障子?みたいなものもつけられてたし。
その花柄を「いいでしょ!」なんてオジサンは言ってくるけど、
黒い木枠と雰囲気合わないでしょー!
申し訳ないけど、全てのリフォームセンスが泣きたいくらいダサかった。
しかもお風呂場のリフォームは自分でやってくださいときた。
昔の赤い丸いタイルが敷き詰められてて、冬は縮み上がりそうに寒そう。
オジサンのセンスでリフォームされるよりはマシだけど、だったら他のリフォームも何もしないで欲しかった。
こんな不要なリフォームをやられて、そのリフォーム代もダサい照明も私がお金を払うようなものだし、お風呂のリフォームは自分でしなくちゃいけなくて3100万円。
悩んだ。
どこにも欲しい要素は無かった。ただ希望エリアというだけ。
しかも袋小路の一番奥という、近所嫌いの私にはキツイ立地だった。
内見してる時も隣の家からクシャミの音が聞こえて、息苦しさも感じた。
でも10年探しても見つからなかったんだから、これが現実なのかなと思い、不動産屋さんに話を進めてもらい、喫茶店で書類に記入をした。(何の書類か忘れた)
喫茶店の飲み物は不動産屋さんの奢り。
でも、契約の日が近づいてきたら、どんどん「違う違う。あの家が欲しいんじゃない!」という気持ちになり、気が重かったけど不動産屋の兄さんに電話をかけて「買うのやめます」と伝えた。兄さんは「えーーー!」という感じで焦って困っていたようで申し訳なかったけど、どうしてもあの家を買うことは出来ないと思った。手付金とかは払ってなかったから、金銭的な支払いは何も発生しなかった。
お茶を奢ってもらってすいませんでした。_(._.)_
あの家を買ってたら、毎日暗く、つまらない人生になってたと思う。
「近所の人に会いませんように」と願いながら足早に家に駆けこみ、家を出る時はドアのスコープから近所の人がいないか確認していたと思う。
庭も無いし、家に取り囲まれてて落ち着かなさそうな家だった。
老後の資金も無くなるところだった。
危ない。危ない。
その1年後くらいに今の家をポッキリ2千万円で買えました。
希望エリアからは1キロくらい離れたけど。
あの家を見たからこそ、今の家の良さがよく分かる。
「この家を買って良かったな~」とよく喋っているので、その声を聞いてるこの家も喜んでると思う。