へっぽこ記

リタイア済★毎日ヒマでぐうたらな日々。欲望と断捨離とスピと植物とお金。男っ気は無いよ。

真夜中の女の悲鳴の場所に向かってみた話

 


3年前くらいかな。

女の悲鳴が聞こえた気がして目が覚めた。
夜中の2時~3時くらい。

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私の家は閑静な住宅街では無いから、夜中に酔っ払いの嬌声が聞こえることはよくある。
布団の中で目を閉じて耳を澄ませていたら、また女の悲鳴らしいのが聞こえた。

2階の寝室から窓の外の様子を伺っても、人影は見えない。

そしたらまた女の悲鳴が。

コートを羽織って外に出てみたら、現場は家のそばだった。(2階からは見えない位置)

女が車道に飛び出して逃げようとしているのを、男が女の胴体に腕を回して逃げないようにしていた。

2人とも20~23歳くらいに見えた。

 

私「何してんの?」
男「こいつが俺の携帯を盗ったんです。」
女「…。」

 

男「お巡りさんを呼んできてくれませんか?」
私「分かった!」と自転車で交番に向かおうとした。

女「呼ばないで下さい!お願いします!親にバレるとマズいんです!」

 

私「……。 2人は付き合ってるの?」
男女「付き合ってない!」

私「知り合い? お互いの連絡先は知ってるの?」
男「知らない。今日初めて会って携帯盗られた」

 

一応、女がケガしてないかを目視でチェック

私「まぁ、ケガはしてないみたいだし…。」
女「メッチャしてますよ!」←嘘っぽかった。

 

どうしようと思っていたら、遠くからお巡りさんが自転車に乗ってやってくるのが見えた。
マンションが周りにいっぱいあるから誰かが通報してくれたのかな?

男がお巡りさんにパっと向かっていった。
お巡りさんは「え?何なんだコイツら」と怪訝な面持ちだったから、誰かが通報したのではなくパトロールの最中だったみたい。

男「この人が僕の携帯を盗ったんです!」


お巡りさんも来たことだし、私はお役御免かなとジリジリと後ろに下がっていこうとすると、その空気を察した男と女が私に頭を下げて同時に「ありがとうございました!」と言ってくれたので、なんだか2人が可愛く思えた。

二階の寝室に戻って布団に入っても、女がずっと泣いている声が聞こえた。
こっそり窓を開けて覗いてみたら、お巡りさんは駄々をこねる女の腕を掴んで困っていた。
男はガードレールに座って下を向いていた。
しばらくするとパトカーがきて女も乗っていったようだった。

 

今振り返ってみると、私の質問のしかたも下手だった。

女のほうに過失がありそうだったから、「携帯を盗ったの?」と質問してみれば良かった。男もこの質問こそしてもらいたかっただろうと思うから。

 


友達にこの話をしたら「危ないよ」と言われた。
でも私は悲鳴を聞いたら、やっぱり家を飛び出しちゃうと思う。

思ったことは、夜中に悲鳴を上げても誰も来ない可能性のほうが高そうってこと。
誰かが来てくれたらラッキーくらいに思っておこう。

ちなみに私は悲鳴を上げられない女。
キャーって声は出せない。
ジェットコースターも黙って乗る。

キャーって叫べる女は結婚しそうなイメージがある。